今回はオランダを離れ、北欧のエストニアについての記事をお届けします。

Skype誕生の地として知られるエストニア。実はSkypeのような先進的企業が誕生する背景には、生活のデジタル化にいち早く対応した政府の動きがありました。

1991年にソ連からの独立を果たしたエストニアは、自国が人口140万人弱の小国であることを自覚し、デジタルインフラの整備を進めていきました。

そして、2014年末にはじまったe-Residencyサービスは、世界初の試みで、エストニア国民以外にもエストニアの公共・民間サービスを提供するというもの。2015年には、そのサービス内容が拡充され、今ではオンライン税申告や、公的書類のデジタル署名、そしてエストニア籍の会社設立がオンライン上で完結できるようになりました。

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エストニアとe-Estonia

 

現在エストニア国民は、オンライン上で投票を行い、税申告や、公的書類への署名も役所を訪れずに行えます。また、銀行サービスや医療サービスでもICチップが埋め込まれたIDカードを用いて手続きが行えるようになっています。


IT教育も早い段階でスタートし、コンピューターに関する授業が1年生で、ロボット工学やモバイルテクノロジーに関する授業が2年生の段階ではじまるとのこと!

 

e-Residencyとは

 

2014年12月にはじまったe-Residencyのサービスを利用すると、エストニア国民ではなくてもエストニア籍の会社を設立できるので、ヨーロッパ現地の銀行口座や必要な起業家や、EU内の企業との取引が多い企業にはとても魅力的な制度となっています。

実際にe-Residencyを利用してIDカードを取得したひとの様子はこちらの記事から確認可能です。e-Residencyになるには、所定の申請書(もちろん電子フォーム)に必要事項を記入して提出後、バックグラウンドチェックが行われ、問題がなければ一ヶ月くらいで最寄りの大使館や領事館宛にIDカードが届けられピックアップ可能。

その後、もしも会社を設立したいとなれば、1日で会社が設立できます。これには住所が必要になるので、住所を提供してくれるサービス・プロバイダーや、トラスト会社を利用することになりますが、法人税ゼロのエストニアでの会社設立を行うことで、再投資のお金も効率的に内部留保することができます。

そこから銀行口座を開設し(現時点でここは直接エストニアを訪れる必要有)、年一度の税申告もオンラインで行えるので、銀行口座開設時にエストニアに行きさえすれば、あとは世界中どこにいても会社を運営できてしまうというお手軽さ。

口座開設についても、現在直接銀行を訪れることなく口座が開けないか協議中とのこと。

 

 

プログラムの可能性

 

 

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e-Residencyは、居住許可や選挙権とは全く独立しているので、IDカードを持っているからといって、エストニアに住むことはできませんが、ヨーロッパに顧客やサプライヤーがいる人・企業にとっては、EU圏内の企業と現地のEUR口座を開設できるというだけでもなかなか魅力的なサービスだと思います。

また、これは完全に憶測ですが、ある程度儲かる会社を運営できて所得税等の形で税金をしっかりエストニアに納めていれば、今後制度が変わっていくうちに滞在許可に関する特別なはからいがなされるという可能性もゼロではないでしょう。

今後、企業という枠組みだけでなく、国家を超えたコラボレーションがもっと増えてくることは誰も疑いの余地がないと思いますが、そんな環境の中で戦う舞台を準備してくれているエストニアには今後も注目です。

 

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Atsushi Yukutake
徳島生まれ香川・千葉育ちの88年世代。24歳のとき転職を機にオランダへ移住。その後オランダで転職を経験し、現在は翻訳者・カメラマンとしてフリーランス活動中。趣味はライブ鑑賞。ウェブサイトはこちら