他人と一緒に住むって、ちょっぴり面倒くさいですよね。

「生活をする」って毎日の基本だから、同居人と揉めたりなんかしたらやりにくくてしょうがない。だけどものの置き方、掃除の仕方、生活リズム、小さなことにそれぞれの性格や価値観が表れて違いを見せつけられるし、折り合いをつけていかなきゃいけなかったりする。

ましてやそれが海外だったら・・・

 

ということで、今回は1年以上ガーナ人家族のお宅でホームステイをしている筆者が経験したあんなことやこんなことを書いてみます。

SPONSORED LINK

最初に基本情報

  • 協力隊員はそれぞれの任地や配属先の状況により、職場の寮やホテルの一室、ホームステイなど、それぞれ住む場所が異なる。たまたま私はホームステイだった。
  • 私のホストファミリーは、お父さん、お母さん、息子(13歳)、娘(8歳)の4人家族。お父さんは長距離乗り合いバスの運転手。2週間に1回ほどしか帰ってこない。お母さんはローカルレストランを経営している。ほとんどの時間はお店で過ごしているため、家にいる時間は少ない。2人ともとっても働き者。
  • お父さんは英語がほとんど話せないため、必要なことはお母さんと英語でコミュニケーションをとっている。
  • ホームステイといっても、寝室とトイレバスの2部屋を贅沢に1人で使わせてもらっている。キッチンは共用。ご飯は基本的に自分で作っているが、たまにホストマザーの料理をいただいたりする。

 

お金問題勃発!

あれは確かガーナに来てから10ヶ月ほど経過したくらいの時。

お父さんが急にキレた。

しかしお父さんは英語があまり話せないこともあり、いまいち何故怒っているのか分からない。

周りの人たちの話を聞いてやっと分かった。

私がお金を払っていないから怒っていたのだ。

お金に関してだが、部屋代は私の配属先が負担をしてくれている。

しかし、電気代・水道代等々に関しては私が個人的に払ってねというルール。

なので、私はお母さんに何度か「電気代・水道代を払いたいんだけど、いくら渡せばいいかなあ?」と持ち掛けていた。

「お父さんに聞かないと決められないからちょっと待ってねー」

このやり取りを3回ほど。

なんせお父さんは仕事の都合上あまり帰ってこない。

なあなあにしたまま、ここまで来てしまったのだった。

はっきりさせなかった私が悪いといえば悪いのだが、よくよく掘り下げてみるとガーナの文化的背景も隠れていたようだ。

同僚によると、ガーナではこのような場合、なんとなーく少しずつお金を払うのが正解らしい。

 

例えば日本人である私の思考回路は、

電気代・水道代を払いたい

この家で一ヶ月いくらかかっているのか知る

話し合って、そのうち何パーセントを私が負担するべきか決める

となるわけだ。

 

しかしガーナの人々の思考回路は

あ!電気のクレジットが終わった

確か前回はホストファミリーが払ってくれていたから、今回は私が払っておこう

 

あ!水道代を回収にきた

前回はホストファミリーが出してくれていたから、今回は私がもとう

 

という感じなんだとか。(全ての人がそういう訳ではないと思うが、あくまでそういう傾向があるよという話)

 

こうやって助け合ってお金を出し合っていくのがガーナスタイルなんだ、と諭された。

確かに素敵な文化だけど、ホストファミリーは4人なのに対し私は1人で、その方法だとどうしても私が多めに支出しなくてはいけなくなってしまいそうなので、きちんと話し合って値段を決めることにした。それから今まで特に問題は発生していない。

うーん、なかなか難しい。

 

 

お掃除がとっても大切

ガーナの朝は、箒の「シャッシャッ」という音で始まる。

毎朝家の中から外までくまなく綺麗に箒をかける。

ガーナの人々はとっても綺麗好きだ。

特にうちのお父さんはずば抜けていると思う。

仕事が忙しくたまにしか帰ってこれないのにも関わらず、一息つく前に掃除を始める。

私もそれなりに掃除はする方だと思っていたが、ガーナではできない方に分類されてしまうだろう。

ということで共用部分であるキッチンは特に気を付けて、ご飯を作り終わったら毎回綺麗にするようにしているし、休みの日は家の周りを念入りに掃いたりしている。

ガーナで暮らす上ではとても大切なことであると思う。

 

 

あなたのものはみんなのもの

これはよくある話ではあるが、ものがどんどんなくなる。

自分の部屋には入らないでもらっているので、中のものやお金は大丈夫だが、問題は共用部分のキッチンである。

先日は旅行から帰ってくると、買っておいたミロの大きな缶が半分くらいまで空になっていたし、砂糖もほぼ空になっていた。

そのくらい目くじらを立てることでもないのかもしれないが、いざ使いたい時に空っぽになっているとイライラしてしまうことも少なくない。

ついつい、「使ってもいいけど一言許可をとってね」なんて大人げなく子どもたちに言ってしまう。

料理をしていると、家や近所の子どもが寄ってきて、「これちょーだい」「あれちょーだい」を連呼するのも正直疲れる。休日などは多めに作って一緒に食べたりはするのも楽しいが、仕事終わりで疲れている時などは、材料もそんなに買ってきていないし、できれば一人分をささっと作ってゆっくり静かに食べたい。「お腹空いたー」と言われる度に、みんな忙しいのは分かるけど、仕事や用事で外に出て遅くなる時は親として子どものご飯の準備をしておくとか、お金を渡しておくべきじゃないのか、私は母親じゃないのになんでこんなに面倒をみなくてはいけないんだ、なんてこれまた大人げなく思ってしまったりした。

 

そんなこんなで、モヤモヤしている時にホストマザーに声をかけられた。

「私たちもオブロニ(白人)と生活するのが初めてだから、よく分からないことが多かった。実はあなたのことを観察していたのよ。あなたがどんなことが嫌なのか分かったら、うちの子どもたちにそれはやらないように話したりもしていた。もしかしたらうちの子どもたちが、将来日本に行く機会を得られるかもしれない。その時にあなたから学んだことを実行して欲しいと思っているの。」

確かにうちの子どもたちは最近頻繁に、

「Is it for you?(Is it yours?が正しいとは思うのだが、何故かガーナではこう聞かれることが多い)」つまり「これはあなたの?」

と確認するようになった。

10歳にも満たない子どもに気を付かれていたことに気が付き、とても心を揺さぶられた。

自分のことしか見えていなかったことが、とっても恥ずかしかった。

 

続けてお母さんは言う。

「ガーナでは何でもシェアし合うのが文化なの。砂糖がなくなったら持っている人が使わせてあげる。その代わり次回はもらった人が買ってくる。そうやって助け合うのよ。ご飯を作っている時に近くに近所の子どもがいたら、その子の分まで作ってあげる。それが普通なの。だから、急に用事が入っても母親は子どものご飯の心配をせず、出かけられるんだ。」

 

ガーナでは砂糖やミロだけでなく、子どもも「あなたのものはみんなのもの」なんだと気が付いた瞬間だった。

 

 一緒に生活していくのは、面倒くさい。面倒くさいからいい。

何よりホストマザーがこうやって、腹を割って話をしてくれたことが一番有り難く嬉しかった。今までよりお互いを深く理解できたし、日々の生活の中で少しずつ優しさを分け合えるようになった気がする。

 

確かに誰かと共に生活するのは、細かいところでたくさん面倒くさい。

お互い違う国で生まれ育ったとなると尚更だ。

よく分からない遠い国から来た、よく分からない白人を、快く受け入れてくれたことに、本当に頭が下がる。

 

だけど、面倒くさいからいい。

日々のちょっとした出来事を共有して笑い合う喜びがある。

旅行から帰ってくると、子どもたちがすごい勢いで駆けてきて飛びついてくる。

あー帰ってきた。嬉しい。と思う。

見えないところで、たくさん守ってもらっていることを感じる。

 

 

そして、遅ればせながら最近見た逃げ恥のこの言葉を思い出す。

 

生きていくのって、面倒くさいんです。

それは一人でも二人でも同じで、それぞれ別の面倒くささがあって、どっちにしても面倒くさいんだったら、一緒にいるのも手じゃないでしょうか。

話し合ったり、無理な時は時間をおいたり、だましだましでも何とかやっていけないでしょうか。

逃げるは恥だが役に立つ 第11話より

IMG_6566

 

The following two tabs change content below.
Akane Kobayashi

Akane Kobayashi

大学を卒業後、2015年9月末から、27年度2次隊として西アフリカのガーナ共和国に赴任。職種は何でも屋さんのコミュニティ開発。専門性がないことを専門にしたい。幸せを感じるのは、会いたい人に会って行きたい場所に行くこと。ビールも日本酒も大好き。