マニラの世界遺産として有名なのがサン・アグスティン教会です。イントラムロスの中にあるこの教会は、他の史跡と比較しても特別価値の高いものとして世界的に知られています。その理由は建立されてからの歴史。石造りの建物は400年以上を経過しても尚、立派な施設としてマニラの象徴的な存在です。

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サン・アグスティン教会を含むイントラムロスの史跡群は、マニラの市内観光で必ず訪れたい観光スポットです。その理由はフィリピンの歴史にあります。太平洋からマレー半島、インド洋に繋がるシーラインの要所となる島国は、古くは大航海時代から世界の歴史に翻弄されてきました。ヨーロッパ諸国だけではなく、戦時中にはアメリカや日本からも多大な影響を受けてきました。

現在フィリピンに残る文化はこれらの歴史を強く反映したものとなっており、タガログ語には2,000以上のスペイン語単語が入っていること、東南アジアで最も英語が通じる国であることなど、また日常のフィリピン料理にもスペイン料理に影響を受けたものが数多くの残っていることなど、様々な要素を見つけることができます。

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サン・アグスティン教会には大きく2つのエリアがあり、教会部分と博物館部分に分かれています。教会の本体は400年以上を経た今でも本来の機能を保っており、日曜日にはミサや結婚式が必ず行われています。博物館エリアはフィリピンとサン・アグスティン教会に関する歴史的な品々が展示されており、じっくり見れば1時間以上かかるような施設です。

また、サン・アグスティン教会のあるイントラムロスも街ごと史跡として残っている有名な場所です。スペイン統治時代には貿易港として大いに栄えたマニラ。当時の港に隣接する形でできあがったイントラムロスは、街全体を壁で覆って特別な区画として運用されていました。今でもイントラムロスの中にはスペイン様式の建物、当時の要塞である「フォートサンチャゴ要塞」、スペイン人貴族の生活を垣間見ることのできる「カーサ・マニラ」などの観光施設の他、フィリピン独立の英雄として1ペソ硬貨にも登場しているホセ・リサールの博物館など多くの見どころがあります。

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実はサン・アグスティン教会の本体はスペインにあり、統治時代にキリスト教がマニラにやってきたことが歴史の始まりになっています。それから長い年月の間にサン・アグスティン教会はフィリピン国内に100以上の教会を広げていき、今では主要都市には必ず1つ以上サン・アグスティン教会か、それに関連する施設があるのです。ちなみにセブ島で有名なサン・トニーニョ教会もサン・アグスティン教会の仲間であり、博物館の館内でもイラスト付きで紹介されています。

キリスト教がフィリピンに伝来したのはセブ島が始まりと言われており、1521年には世界一周の航海中であったマゼランとマクタン島の領主であったラプ-ラプが戦闘となりマゼランが殺害された歴史があります。サン・アグスティン教会はフィリピン国内の宗教、及び他国との歴史についての貴重な資料が数多く展示されており、フィリピンでは滅多に見ることのないような非常に良い保存状態のなかでこれらの歴史的な物品を見学することができるようになっています。

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フィリピンには現在、世界文化遺産が3件、世界自然遺産が3件の計6件の場所が世界遺産として認定されています。ただし、そのほとんどがフィリピン入国から更にかなりの移動を要するため気軽に訪れることができるわけではありません。そんな中でこのサン・アグスティン教会は唯一、マニラ首都圏に今も残っている世界遺産として地域、マニラ全体で保護されている貴重な施設なのです。

各国からの統治の歴史はフィリピンにとって必ずしも良いものばかりではありませんが、サン・アグスティン教会は激動の世界情勢の中にあったフィリピンがどのような立場であったのかを理解するには最適な場所です。建物の価値だけではなく、展示品にも目を向けて知られざる歴史に思いを馳せてみるのも観光の醍醐味といえるでしょう。

世界遺産「サン・アグスティン教会」を含む
マニラの史跡名所巡りツアーの情報もご覧ください。

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(Taku/倉田拓人)

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Takuto Kurata

Takuto Kurata

Manila Branch Manager at PTN Travel Corp,
W.W.J PROJECTを考えた人。2010年、フィリピン・セブで国際協力活動を行う「NGO FEST」を設立。現在は日本3支部体制に広がる。2012年には国際協力のプラットフォーム「UYIC」を設立。2013年8月よりフィリピンの旅行会社に転職しセブ島へ移住、その後マニラ支店設立・同士店長、現在は社会貢献事業を民間で行うためイスタンブールに移住。個人でブログ「20代の海外就職論!」を執筆中。